トップページ > ニュース > 原水協通信 草の根2011年4月号

東日本大震災・救援募金に協力の輪をひろげよう

3月11日に発生した東日本大地震。日本原水協は、被災した各県原水協の関係者、被爆者とも直ちに連絡をとりながら、談話を発表しました。
愛知県原水協は、「東日本大震災・救援募金」のお願いをよびかけると共に福島原発はどうなっているの声にこたえ、原発問題愛知県連絡センターに協力しての緊急学習会を開催しました。内容をご紹介します。

「福島第一原発で何が起こっているか?」緊急学習会に会場いっぱいの参加者

―浜岡原発は即時中止の署名の取り組み提起 原発問題愛知県連絡センター

3月26日、原発問題愛知県連絡センター主催、愛労連共催で、緊急学習会「福島第一原発で何が起こっているのか?」が開催されました。立ち見もでるほど会場いっぱいの約170人の参加者がありました。

講師は、玉置昌義氏(元名大工学研究科教員・TAMAKI記念研究所主宰)、澤田昭二氏(名大名誉教授、日本原水協代表理事、被爆者)。田中知通愛労連副議長が、あいさつをし、大野宙光同センター専門委員(日本共産党名古屋東・北・西・中地区委員長)が司会を務めました。

玉置氏は、福島第一原発の圧力容器内の水温や格納容器の圧力データを示し、①燃料棒は被覆管が高温になって酸化され崩れ落ちている可能性が高いこと、②2・3号機については格納容器に穴が開いていて圧力は安定しているが放射性物質が外部に漏れ出していること、③1号機については圧力が上がり続けており格納容器の破損と水素爆発の危険があること、などを指摘。

玉置氏は、「原子爆弾的危機は一先ず去った」と述べ、「原子炉運転員・電源復旧作業員の人たちは、危険のともなう中で、大量放射性物質放出という最悪の事態へ至るのを食い止めるため命をかけて頑張っている。だからこそ、この状態でまだとどまっている」ことを強調。自らの1号機の危機回避の提案を示しながら、「専門家の知恵を集め、消防や自衛隊、東電やガス会社などの力を結集して、危機回避へ政治の役割がきわめて重要になっている」と述べました。

澤田氏は、放射性被曝の影響について、脱毛、皮下出血など一定量の放射線を浴びることで発症する急性放射線障害とガンなど数年先に発症する晩発性障害の区別や、環境からの放射線を浴びる外部被曝と体内に取り込んだ放射性物質による内部被曝の違い、などを詳しく解説。

広島・長崎の被爆による影響をまとめたデータを示しながら、福島原発の作業員や環境中に放出された放射性物質による被曝の影響がどの程度かを明らかにしました。

澤田氏は最後に、東海地震の震源域の真上に位置する浜岡原発の危険を指摘し、今回の事故の教訓を生かし、ただちに運転を停止すべきだと述べました。

活発な質疑応答が行われ、最後に、浜岡原発の即時停止を求める署名に取り組み世論をひろげることがよびかけられました。また、被災地支援の募金も提起され、5万円以上の募金が寄せられました。 (県原水協・大野宙光理事)



東日本大震災に関する談話

福島第一原発事故のこれ以上の悪化を防ぎ、
地震、津波、原発事故の被災者、避難者の救援に全力を

談話 原水爆禁止日本協議会事務局長 安井正和

3月11日の東日本大地震と津波の被害に続き、福島第一原発の事故が重大な事態を迎えている。6つの原子炉のうち1号炉、2号炉、3号炉で核燃料の一部が炉心溶融に至り、あるいは至っている可能性が高く、3号炉、4号炉では使用済み燃料貯蔵プールの水温が上昇・蒸発し、燃料棒が露出するなど、予断を許さない事態が続いている。5号炉、6号炉でも使用済み燃料プールの温度上昇が伝えられている。

広島、長崎、世界各地の核実験被害とも共通する、現在の放射線被ばくの危機に、日本原水協にも内外から被災地のみなさんへのお見舞いとともに、被害の現状への懸念と不安とが寄せられている。

日本原水協は、広島・長崎の被爆を原点に、核の惨禍を防ぎ、核兵器全面禁止を求めてきた団体として現在の事態を深く憂慮しており、日本政府に対して、日本国民を放射能の惨禍にさらす現在の危機を回避するために全力を尽くすこと、あわせて地震、津波、原発被害の被災者の救援に、国民的な英知と力を結集することを強く求めるものである。

1、いま、何よりも緊急に求められていることは、福島第一原発のすべての原子炉で炉心溶融を防ぎ、燃料棒の冷却を確かなものとし、放射能の飛散を食い止めるために全力を尽くすことである。もし現在の事態がさらに進み、燃料棒からウランやプルトニウムが溶け出すようなことになれば、放射性物質の大量放出という最悪の事態になりかねない。
政府が、現在の危機の対応に、原発推進を目的に設けた経済産業省の原子力安全・保安院をあてていることが事態を悪化させていることが強く指摘されている。政府は、事故を起こしている原子炉の温存など、電力業界や財界の打算に流されるのでなく、国民の安全を最優先して事態に当たるべきであり、原子力安全行政の「要」として設けている原子力安全委員会を対応の中心にすえるべきである。

2、同時に、地震、津波、そして現在の原発事故による被災者を救援することは、もうひとつの急務である。死者数が5千数百、安否不明者が1万7千、避難者が40数万にのぼり、病院からの緊急避難者が相次いで死亡するという悲惨な事態も起こっている。現在の大規模な惨事に立ち向かうためには、政府などの公的機関とともに国民的な支援が不可欠である。我々は、政府が国民に事実を早く、正しく伝えるとともに、国民の支援が被災者に届くよう、通信、交通、輸送手段の確保、被災自治体への援助など、道を開くことを強く求める。

3、福島原発で起こっている惨事は、とりわけ日本のような世界有数の地震国で原子力依存政策を取り続けることの危険性をあらためて浮き彫りにしている。日本原水協はこれまでも、原発へのプルトニウム燃料使用、高速増殖炉の運転再開、六ヶ所村の再処理施設の運転など、世界でも類のない危険な政策を注視することとともに、新たな原発建設を中止し、全国の原発の総点検をただちにおこなうよう強く主張してきた。いま、大規模な余震も懸念される中で、我々は、あらためてすべての原発の点検にただちに着手するよう強く要求する。また、代替エネルギーの開発と促進を強く求めるものである。




「東日本大震災・救援募金」のお願い

愛知県原水協は、支援の一助として、救援募金を訴えます。寄せられた募金は、もっとも大きな被害を受けた、岩手、宮城、福島など各県原水協と協力して、被災自治体を通じて避難中のみなさんの援助のために届けるようにします。
 以下に、「東日本大震災救援募金」と明記くださり、お振り込み下さるようお願いします。

<郵便振込>
口座番号 00850-8-49385
加入者名 原水爆禁止愛知県協議会
 

3・1ビキニデー報告会、署名の意義を学ぶ学習会等々紹介

●ビキニデー報告会 原発事故で核が身近に 春日井ピースフェスタ

3月26日、ビキニデー春日井報告会がレディアン春日井で開かれ、9団体11名が参加しました。例年この報告会をスタートとして平和行進、世界大会、そして、平和展と春日井の平和運動が取り組まれていきます。

報告会のメインは、2月15日から始まった新署名の学習です。参加者は新署名の内容と意義を佐竹愛知県原水協事務局長からパワーポイントを使って聞きました。佐竹氏はビキニの水爆実験から始まった日本の原水爆禁止世界大会と署名の力強さを強調しました。

ビキニに於ける久保山さんを始めとした被爆の状況と、今進行中の福島原発事故は、参加者に「核の恐ろしさ」を身近に感じさせ、原発の必要性から安全対策そして政府の無責任対策、不安な浜岡原発まで、いま私たちのおかれている立場からの率直な発言が続きました。

春日井教職員労働組合のKさんは、「広島、長崎の原爆は何十万の人の命を奪った」と発言。司会者から「核の国民的な関心は高まっているので、これを署名に繋げていこう」と参加団体の署名の取り組みの報告と討論を求めました。現在、各団体とも署名が構成員の手元にきたばかりでこれからという報告がなされました。この状況をうけ、「今日のような集まりを今後各団体で数多くもって署名を推進する」を確認し、2011年ビキニデー報告会を終えることができました。  (西岡ピースフェスタ事務局長)



●「知ることで、できることが見えてくる」 ビキニデー青年報告会

3月27日に『ビキニデー青年報告会』(民主青年同盟県委員会、愛知県原水協共催)を開催しました。この報告会は、県内からビキニデーに参加した青年・学生が感想交流をする中で、「劣化ウランは核兵器か?」「放射能の半減期とは?」など様々な疑問が出たことを受けて、ビキニデーの報告も含めて、核兵器やビキニデーについて学び深めようと、きゅうきょ帰りのバスの中で決まった企画です。

当日は、21人の青年学生の参加があり、ビキニデーの報告と沢田昭二氏(日本原水協代表理事)をお招きしての“核兵器とは何か”という学習を行いました。ビキニデー参加者は「ビキニデーについて何も知らずに参加したが、生の声で被爆の実態を知ることができた。原発で放射能被害が騒がれているが、情報におどらされず学んでいきたい」「母親たちが声をあげて原水爆反対の運動をつくったことを知り、声をあげることの大切さとともに、何かを変えるには多くの人の行動が必要だと実感」といった、それぞれが得てきたこと、問題意識や深まった点などを報告しました。沢田先生の学習では、自身の被爆体験や物理学者として原爆の研究や核兵器廃絶、原爆症集団認定訴訟への取り組みに関わっていく過程を導入部として、次に①核兵器と通常兵器の違い、②原子力発電とは何かについてお話いただきました。

①については、核分裂とはどういった原理で起きるのか、原爆と水爆の違いなどを物理学も交え、参加者からの質問にも応えながら、基本的なところから学ぶことができました。また、②は、東日本大震災があり、参加者の関心も高かったことも踏まえ、詳しく学習。原発が核をゆっくりエネルギーに変えている状態であることや、原発政策がアメリカ発であり、今に至っていること、原発ではなく自然エネルギーを分散して供給することが行政に求められているなど、学ぶことができました。

最後に「日本は被爆国として原爆の危険性を十分に伝えきれていないことを改めて感じた。今、自分ができることは何か?と考えさせられた」「人々の関心が集まっている状況で、“原発はやはり危険だ”という意見が増え、世論を動かしていけるかもしれない」など交流しつつ、核兵器廃絶の新署名の取り組みを提起しました。

今後も、核兵器廃絶の取り組みをすすめ、原発頼みではないエネルギー政策を探求し、国のあり方を根本から考え、変えていくために、今回のつながりと学んだことを活かしていきたいと思っています。   (県原水協・小田前恵子理事)